相続登記Aさん(50代):父名義の実家を5年間そのままにしていた
Aさんは母と弟の3人家族。父が亡くなった後も母が実家に住み続けていたため、名義変更を急ぐ必要はないと思っていました。ところが、将来の売却を検討した際に相続登記が未了だと分かり、「何から始めればよいか」と相談されました。
整理したポイント
- 父の出生から死亡までの戸籍と、相続人3名の関係
- 土地・建物の登記情報と固定資産評価額
- 実家を母が取得するという家族の合意内容
- 相続登記の申請義務と期限
対応と結果
必要な戸籍を収集し、遺産分割協議書への署名・押印を確認して申請書類を作成。母名義への相続登記を申請し、将来の売却や二次相続に備えて権利関係を整理できました。
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内の申請が原則です。古い相続も対象になる場合があります。
遺言Bさん(70代):同居する長女に自宅を残したい
Bさんには長女と長男がいます。長女は長年Bさんの生活を支えていますが、長男は遠方で暮らしています。「自宅は長女に、預金は2人に分けたい。家族が困らない形で残したい」と相談されました。
整理したポイント
- 不動産・預貯金など財産の一覧
- 相続人と希望する分け方
- 自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
- 遺言執行者を定めるかどうか
対応と結果
ご希望と家族構成を確認し、遺留分にも配慮しながら案文の要点を整理。Bさんは専門家の関与の下で作成する方法を選び、必要資料をそろえて作成手続きを進めました。完成後は保管場所とご家族への伝え方も確認しました。
法務局の自筆証書遺言書保管制度では、紛失等の防止や検認不要などの利点がありますが、遺言内容の有効性を保証する制度ではありません。
役員変更C社:取締役の任期満了を見落としていた
家族で経営するC社は、銀行から現在事項証明書の提出を求められた際、取締役の任期がすでに満了していることに気付きました。代表者は続投予定でしたが、必要な決議や書類が分からない状態でした。
整理したポイント
- 定款に定められた役員の任期
- 現在の株主・役員構成
- 株主総会の開催日と決議内容
- 就任承諾書、株主リスト等の添付書類
対応と結果
定款と登記事項証明書を確認し、株主総会議事録などを整備。役員の重任登記を申請し、登記記録を現在の会社実態に合わせました。次回の任期満了時期も一覧化し、社内で管理できるようにしました。
会社の機関設計や定款によって、必要な決議・書類は異なります。
成年後見Dさん(40代):認知症の母の施設費用を確保したい
Dさんの母は認知症が進み、介護施設へ入所しました。空き家になった母名義の自宅を売却して施設費用に充てたいものの、母自身が契約内容を十分に判断することが難しい状況でした。
整理したポイント
- 母の判断能力と医師の診断内容
- 収入・預貯金・不動産・毎月の支出
- 推定相続人など親族関係
- 後見・保佐・補助のどの類型が想定されるか
対応と結果
家庭裁判所への申立てに必要な財産目録・収支予定表・親族関係資料を整理。申立て後、裁判所が選任した成年後見人が母の財産を管理する体制になり、不動産売却については必要な手続きと裁判所の確認を踏まえて検討できるようになりました。
候補者を挙げても、その人が必ず成年後見人に選ばれるとは限りません。選任するのは家庭裁判所です。
相続放棄Eさん(30代):疎遠だった父の督促状が届いた
Eさんは父と長年疎遠でした。父の死亡を知った後、自宅に消費者金融からの督促状が届き、預金よりも借金が多い可能性が判明。死亡を知ってから約2か月が経過していました。
整理したポイント
- Eさんが父の死亡と自分が相続人であることを知った日
- 把握できた財産と負債
- 相続財産を処分していないか
- 父の最後の住所と申述先の家庭裁判所
対応と結果
戸籍と住民票除票等を収集し、期限を確認して相続放棄申述書を準備。家庭裁判所で申述が受理された後、受理証明書を取得し、請求をしてきた債権者へ相続放棄した旨を連絡しました。
相続放棄は、自分が相続人になったことを知った時から原則3か月以内です。財産の処分などにより放棄できなくなる場合があるため、早めの確認が重要です。
会社設立Fさん(40代):契約開始日に合わせて会社を作りたい
個人でコンサルティング業をしていたFさんは、取引先との法人契約開始に合わせて株式会社を設立したいと考えていました。希望日まで約1か月でしたが、商号と資本金以外は決まっていませんでした。
整理したポイント
- 事業目的、本店所在地、資本金、株主構成
- 取締役と代表取締役、決算期
- 商号の表記と同一所在場所での同一商号
- 定款認証、資本金払込み、設立登記の日程
対応と結果
決めるべき事項を一覧化し、定款・就任承諾書・払込みを証する書面等を順に準備。公証人による定款認証を経て、希望日に設立登記を申請しました。登記完了後に必要となる証明書や、税務・社会保険関係の届出先も案内しました。
会社は設立登記によって成立します。会社形態や機関設計により、必要書類や手続きは異なります。